「いのちの時間」の舞台紹介③ (出版してから・・・7)

なかみゆ/中村美幸

2013年04月26日 19:03

今回は、私の実家近くにある「武水別神社」のご紹介です。





渓太郎1か月の時のお宮参りした神社。(80ページ)

お宮参りでは母方の祖母が赤ちゃんを抱っこする習わしがあると聞いていたので、

本堂まで続く長い参道を、渓太郎をだっこして歩いたのは私の母でした。







参道を歩いている途中、ひときわ目立つ大木を見つけて、

私はふと、幼かった頃に父と一緒にかぶと虫取をしたのを思い出しました。(81ページ)





この木を見ながら私が父に言いました。

「渓太郎が大きくなったら、お父さんがかぶと虫捕りとか教えてあげてね!」

すると父は

「おお、いいよ」

と言ったあと、力強い声で言いました。

「でもなあ、美幸。この木はケヤキだからかぶと虫は飛んでこないぞ。

かぶと虫が飛んでくるのはくぬぎだ!」

大木を見上げながらそう言う父は、まるで少年のようでした。


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