昨日(23日)屋代中学校にて
「子どもの健全育成をすすめる会」にて
講演をさせていただきました。
会のテーマは「幸せな人生ってなんだろう」
このテーマは、
私がこれまでずっと自分に問い続けてきたテーマでもあったので
改めてこども病院での生活を振り返ったり、
当時の気持ちと向き合ったりしながら
講演内容を考えました。
そこで行き着いたことは、
「過酷だった付き添い看護生活が
私を大きく成長させてくれた。
そして、間違いなく私は幸せだったんだ。」
とうことでした。
昨日はその気持ちを
そのままお話しさせていただきました。
すると
自然と、お一人おひとりの目を見ながら話している自分がいて、
いつの間にか、みなさんと一対一でお話しさせていただいているような気持ちになりました。
参加してくださったみなさんも、まっすぐ私の目を見てくださっていたのだと思います。
瞳を通して、お一人おひとりと心が通っている感じがして
私はとても温かな気持ちでお話させていただくことができました。
そして講演後・・・・
ひとりの女性が後ろから声をかけてきてくれました。
「こんにちは!」
「はい」 と言って、私が振り向いた瞬間・・・・
私のまぶたは一瞬にして、涙でいっぱいになりました。
そこに立っていたのは、
当時、渓太郎の看護をしてくださった看護師さんだったのです。
「Nさん・・・」
私はあまりにびっくりして、それ以上言葉も出ませんでした。
するとNさんの方から、あの時と変わらない優しい声でお話をしてくれました。
「今日のお話を聞いて、当時のこと全部思い出したよ。
なつかしかった・・・。
渓ちゃんが入院してきたときのことも、
渓ちゃんを見送ったときのことも、
全部覚えているよ。
入院したばかりの時は、
お母さん、本当に辛そうだったよね・・・。
それも覚えてる。
でも、途中からすごく明るくなったことも、覚えてる。
ホントにいろんなことがあったよね。
あのとき経験したこと、私もすごく大切にしているんだよ。」
涙を流しながらお話するNさんは、
あの時となんにも変わっていませんでした。
渓太郎の病状が悪化し、
もう施す治療がないとわかったとき、
私と一緒に泣いてくれたのがNさんでした。
「渓ちゃん」「渓ちゃん」と名前を呼びながら渓太郎を抱っこして、
ただ、ひたひたと涙を流してくれたのです。
Nさんのその姿を見て私は、
張り裂けそうな心の痛みを半分担ってもらったような気持ちになり、
どうにか自分の心を立て直したことを覚えています。
どんなふうに感謝の言葉を伝えたらいいのかわからず、
「あの時は本当にありがとうございました」と
17年前のできごとに感謝をお伝えしましたが、
今日の講演を聞いていただいて、
当時の私が
どれほど先生や看護師さんに支えていただいていたのか、
そして、どれほどたくさんの学びを与えていただいたのか・・・
それを知っていただくことができて
本当に本当にうれしかったです。
改めて・・・
講演会に参加をしてくださった皆様。
暑い中、私の話に真剣に耳を傾けてくださって
本当にありがとうございました。
また、先生方、役員の皆様。
地元でお話をさせていただけるという、大変貴重な機会を与えてくださいまして
本当にありがとうございました。
皆様のますますの幸せをお祈りしております