先日、子ども病院からお手紙が届きました。
中に書かれていたのは、
25日に行われる「開院二十周年記念事業」の中の慰霊祭へのお誘いでした。
『もうあれから十年かぁ・・・』
私は「開院十周年記念」の時に行われた慰霊祭にも参加をさせていただいていました。
慰霊祭が行われた病院の中庭には、画用紙で作られた桜の木に、
天使になった子どもたちの名前が書かれた桜の花びらが一枚一枚貼られていました。
写真は、当時まだ4歳だった娘と3歳だった息子。
娘はこの写真のあと、私の膝にしがみつきながら、私の方を見上げてせがみました。
『ねえ、お兄ちゃんに会いたい・・・。ここにいるんでしょ。お兄ちゃんに会いたい』
そう言って、中庭から病院の廊下に飛び出すと、
渓太郎が入院をしていた病棟入り口の重い扉を一生懸命に開けようとしました。
「Kちゃん。お兄ちゃんはここにはいないよ」
「なんで?お兄ちゃんに会いたい」
4歳の子どもになんと説明したらいいのかわからず、私はそのままの気持ちを伝えました。
「お母さんもずっと会いたいと思ってきたの。
だけど、一度天国に行ったらもう会えないんだよ」
娘は納得のいかない顔をしていましたが、そのまま病棟の中に入るのをあきらめました。
私にとって胸の奥がチクッと痛くなる10年前の思い出です。
今日、病院から届いたお手紙を見ながら二人が言いました。
「25日は、部活をお休みして行くよ!」
渓太郎に会ったことも、一緒に遊んだ思い出もないふたりが
ごく自然に自分たちの兄弟なのだと思ってくれていることが
私の心をずっと支え続けてくています。
25日、たくさんの思い出の詰まった大切な場所に行ってきます。